<妄想話>子供からお年寄りまで値切りを楽しめるお店 「ハンガク」 第5話
値切りとは売り手の価値と買い手の価値がぶつかる環境。
値切りを目的とした商業施設「カチカチ山」。
そこにある「ハンガク」という私のお店のお話。
前回は「音楽CDの価値」についてお話した。
音楽は時間が経っても良いものはやっぱり良い、色褪せないね。
https://fortunemelody.hatenablog.com/entry/2022/06/26/130058
今日は「本」を仕入れた。
本といっても様々なものがある。
小説、歴史書、ビジネス書、ハウツー本、辞書、参考書、漫画、雑誌、写真集、絵本などがある。
それぞれの役割が異なるため、それぞれで価値を考える必要がある。
どれにしても、著者、制作会社の考えを聞く必要がある。
ただ、その前カチカチ山にある「カチカチ山図書館」に納められているか確認する。
無ければ納本する。
勿論、納本した場合は「カチカチ山図書館」から定価の倍の値段で買い取っていただける。
「カチカチ山図書館」についてだが、一般の図書館と変わらないがジャンルが豊富である。世界でも数多い本が集まっている場所である。
なぜ多いのかというと、館長曰く、集本部署があらゆる対策を取っているからだ。
①先程の所有していない本に関しては、倍の値段で買い取るのもその1つだ。
出版社もこれでかなり助かっていると思う。ちなみに2冊ずつ納本してもらうそうである。ただ、何かしらの理由で納本されていない本もあるため、たまに古本で手に入れた場合もあるので、是非、「カチカチ山図書館」に問い合わせをしてみてはと思う。
②情報収集力とその活用がすごい。どんな人がどのような本を借りるかのアンケートやその本の感想などの統計を取り、それを研究や企業のマーケティングに生かせるように加工し売っている。
③そのアンケートだが、アンケートを書いたら報酬をいただける。また、本を読んだ感想を書いた方にも報酬を支払っている。本を読む、アンケートをすること自体に価値を見出しているという考えの下に行っているのである。
他にも色々しているが、こういった方法で、人に本を書かせ、描かせ、人に本を読ませ、住民の価値観を高めていることを目的にしているそうである。恐れ入ります。
だから、私も是非貢献したいと思い、まずは「カチカチ山図書館」に納本する。
無料で本を読めるのはとても有難い。
ただ財源はどうしているか気になったので、館長に聞いたところ、財源の多くを占めているのが寄付だそうだ。
私は聞いて感動した。これだけの環境を提供してきたからこその恩返しかと思う。
出版業界からしたら文句を言われそうなものだが、実は出版業界も支援している。
というのは、最新作は出版されて3ヵ月経たないと納本しないことになっているし、宣伝も随時してくれるし、結果的に家に置いておきたいという人も多くなるので、出版業界全体にプラスとなる存在なのである。さらに図書館側もどんな本を住民が求めているかを出版業界には無料で情報提供している。お互いに高めあうようになっている。
できた本がさらに価値を高めるなんて、すごいシステムである。
そして、最近では「カチカチ山図書館」も電子書籍を取り入れている。
家からでも本が借りれるなんてすごい世の中になった。
電子書籍の方が8割ほどだそうだ。
ただ、2割ほどはやはり実物がいいと思う人もいるため、実物の価値も大事にされている。
とまあ、長くなったが、うちの本もそういったことで買いに来る人は多い。
ちなみに、うちでも実物を電子書籍化するサービスをしている。
というのは、作者から依頼されることがあるからだ。
お金はいい、ただ内容を広めてほしい、簡単に手に取ってほしいという願いだそうだ。
どうしても本だと1人しか買えない。貸出のかたちにしても1人しか読めない。そんな悩みがアンケートで分かったから作者と読み手の利益が合致する方法というのも考えた結果、本の電子化にたどり着いた。
出版社によっては電子化に力を入れている場合はすでに行っているが、電子化に手を出せていない会社の本に関してはこちらで行っているということである。
もし、模倣が見つかれば報告する。その報酬もいただける仕組みがある。
どうしても本の内容が広まってしまう世の中ではあるが、拡散することにより価値が高くなることもあるため、広めることベースで価値を高くする方法を「カチカチ山図書館」が頑張っている。
だからこそ、カチカチ山の住民も支援しているのでしょうね。
そんな私も本の魅力を伝えないといけないと思い、月1回、読んだ本の要約、解説、感想会をやっているので価値を共有する「ビブリオの会」を開いている。
他にも映画観賞会や演劇なども行っている。
是非、皆さんも「ビブリオの会」をしてはいかがでしょうか。
~続く~