フォーチュン・マッキ’s diary

幸せのために何ができるか

<妄想話>子供からお年寄りまで値切りを楽しめるお店 「ハンガク」 第2話

値切りとは売り手の価値と買い手の価値がぶつかる環境。

 

値切りを目的とした商業施設「カチカチ山」。

そこにある「ハンガク」という私のお店のお話。

 

前回は「カチカチ山」について簡単に紹介した。

https://fortunemelody.hatenablog.com/entry/2022/06/02/074008

 

「ハンガク」での商品の仕入れは、仕入先に営業をし、仕入れさせてもらっている。

ただ現在は、基本的に依頼されることが多くなっている。

これは「ハンガク」の営業と実績の賜物である。

 

さてさて、今日は半額のクロワッサン10個仕入れた。

この半額は仕入先のパン屋の店主が、「期限が近い」という理由で判断した価値である。

 

しかし、私はこのパンを半額とは思っていない。

 

だってそうでしょう。

期限が近いから美味しさが半減している訳でない。

材料費、人件費、手間暇が変わった訳ではない。

なのに、価値が半分にはなる訳がない。

 

なので、通常の値段で売ります。

これがうちのポリシーである。

 

 

とかいって、みんな、売れないと思うだろう。

ただ、「カチカチ山」ではそれでも売れるのだ。

 

ここのお客達は店主が決めた価値でなく、自分で決めた価値で買うのだ。

 

私が伝えた価値に対して、交渉が始まる。

出来立てのクロワッサンと比べて、やはり質が落ちると。

半分はいかないまでも7割程度に価値が落ちるではないか。

さらに10個なのだから、価値が少し下がり6割5分あたりでどうかと。

 

私は納得がいかなかった。

出来立ての価値は確かに高い。

だが、店主は出来立てよりも質が落ちていくことを見越して安い価値で売っていた。

悪くない価値であった。

 

さらに、このクロワッサンは1個だろうが、10個だろうが1個の価値は変わらない。

ものごとはまとめ売りで価値が安くなるものなのか。

 

さらに、助け船がやってくる。

他にクロワッサンを求めるお客も増え、クロワッサンの価値が押し戻されていった。

 

最終的には7割で売ることとなった。

 

個人的にはもう少しでも高くしたかったが、早く食べてほしいという希望が勝り、ここで値切り、値上げ交渉は打ち切った。

 

とはいえ、

みなお互いに満足いくものであったと感じる。

 

本当に手ごわいお客ばかりである。

一体、どんな教育を受けてきたのか。

真の価値を見ようとする。

ホント頭が下がるね。

 

売った後は仕入先の店主に報告するのが日課である。

店主は言う、

「ありがとう。半額を7割の価値にしてくれて」

 

だから私は言う、

「たまたまよ。半額の価値のものがそれ以上に戻るなんてあまりないからね。半額なんてつけないでね。」

 

いつも疑問に思う。

なぜ人は自分事の価値を低く設定してしまうのか。

不満にも感じる。

 

だから、この商売を始めたのだ。

私が価値を見出す。

 

さて、今日はどこに半額があるかな。

 

~ 続く ~

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